皆さんこんにちは。
神奈川県横須賀市を拠点にビルや工場など多種多様な施設で施工から管理まで一貫した電気工事を手掛けております株式会社 大志電工です。
「幹線設備って、そもそもどんな役割をしているの?」「幹線工事や動力設備との違いがよく分からない…」と感じたことはありませんか?電気工事に携わる方の中にも、幹線設備の仕組みや設計の考え方、施工時の注意点をしっかり理解しておきたいという方は多いでしょう。
実は、幹線設備を正しく理解することで、電力の安定供給や施工の効率化、安全性の向上につなげることができます。
そこで今回は、建物の電気を支える「幹線設備」の基本構造から、高圧幹線の特徴、工事の流れ、そして信頼できる電気工事会社の選び方までをわかりやすく解説します。電気設備の知識を深めたい電気工事士の方や、ビル・工場などの設備担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
■幹線設備の仕組み

幹線設備は、建物全体へ電力を安定的に供給するための「電気の幹(みき)」にあたる部分です。分電盤や配電盤、照明設備、動力機器などに電気を届ける経路として重要な役割を担っています。ビルや工場、商業施設など、大規模な建物ではこの幹線設備の設計や施工方法が、電気の効率や安全性に大きく影響します。ここでは、幹線設備の構成要素と仕組みについてわかりやすく解説します。
・幹線とは
幹線とは、電気を受変電設備から各階や各エリアに分配するための「主要な電力供給経路」です。建物でいえば、電気の“幹”にあたる部分であり、枝のように分かれる配線(分岐回路)へ電力を送る基幹線となります。一般的に、幹線は高い電圧・大きな電流を扱うため、電線の材質や断面積、経路設計には注意が必要です。幹線が安定していなければ、機械や照明、空調などの電気設備が正常に動作しなくなる恐れがあります。
・幹線ケーブルと電気の流れ
幹線ケーブルは、変電設備から分電盤・配電盤へ電力を運ぶための導線です。建物の規模や電力容量に応じて、CVケーブルやバスダクト(母線ダクト)などが使用されます。バスダクトは、大型施設で採用される金属製の配管に銅やアルミのバー状導体を組み込んだ設備で、高電流を効率的に送ることができます。これにより、工場やビルのような大きな電力需要にも対応できる設計となっています。
・高圧幹線設備の特徴
高圧幹線設備は、6,600Vなどの高電圧で電力を送るシステムです。一般的な低圧配線よりも送電効率が高く、エネルギーロスを抑えられるのが特長です。高圧幹線では、絶縁材や配管の耐圧性能、接続部の処理方法など、安全面で高度な技術が求められます。また、変電設備や高圧受電盤との連携が必要になるため、設計段階での計画や容量選定が重要です。安全な施工と定期点検を行うことで、長期的に安定した電力供給を維持できます。
■幹線設備の種類と用途

幹線設備は、建物の規模や用途、必要な電力量によって構成や方式が異なります。一般的な住宅から工場・ビルなどの大型施設まで、電気の使われ方に合わせて適切な幹線方式を選定することが重要です。ここでは、幹線設備の主な種類や、動力設備・配線との違い、そして用途ごとの特徴について解説します。
・幹線動力設備との違い
幹線設備は「電気を運ぶ経路」であり、動力設備は「電気を使う機器群」を指します。例えば、幹線は電源から分電盤までの配線部分を構成し、動力設備はモーター・ポンプ・空調機などの動く機器を指します。混同されやすい部分ですが、幹線が安定していなければ、動力機器が正常に作動しないため、両者は密接に関係しています。電気工事の計画では、幹線と動力設備の容量・経路・保護装置を一体的に設計することが求められます。
・幹線配線との区別ポイント
幹線配線と一般配線の最大の違いは「電流の大きさ」と「電圧レベル」です。幹線は建物全体の電力をまとめて送るため、太いケーブルやバスダクトを用い、高電流・高電圧に対応する必要があります。一方、照明やコンセントへ分配する配線は、比較的細い電線で構成されます。たとえば、ビルの3階まで幹線ケーブルで電力を送り、そこから照明・電灯回路に分岐する、といった経路設計が一般的です。この違いを理解しておくことで、施工や点検時のトラブルを防げます。
■幹線設備工事の流れ

幹線設備工事は、単にケーブルを敷設するだけでなく、設計から施工・点検まで一貫した管理が求められる重要な工程です。建物の電力供給を安定させるため、現場の状況や電気容量を考慮して慎重に進める必要があります。ここでは、幹線設備工事がどのような手順で行われるのかを具体的に紹介します。
・設計や配線計画
最初の工程は、建物の電力需要に合わせた配線計画です。受変電設備から各分電盤・配電盤への電力経路を明確にし、必要な電流容量や電圧降下を計算します。配線ルートの選定では、配管経路・点検スペース・防火区画など建物構造との整合をとることが重要です。電気工事士は、図面上での経路設計だけでなく、現場での施工性や保守性も考慮して最適な方式を選びます。
・敷設・接続作業
設計が完了すると、実際の幹線ケーブルやバスダクトを敷設します。敷設には、配管・配線ダクト・ケーブルトレイなどの設備を使用し、安全に経路を確保します。ケーブルは電流容量や温度上昇を考慮して選定され、支持金具や固定部材も規格に沿って取り付けます。接続部分は電流が集中するため、圧着・端子処理を確実に行い、絶縁や耐圧の確認を怠らないことが重要です。施工中は停電対策や感電防止にも細心の注意を払います。
・検査・試運転の工程
施工後は、絶縁抵抗試験・導通試験・電圧測定などの検査を行い、電気設備が安全かつ正確に動作するかを確認します。特に高圧幹線設備の場合、電力供給開始前に耐圧試験を実施し、異常な電流漏れや接続不良がないかを点検します。その後、電源を投入して分電盤・制御盤・動力機器が正常に作動するかを試運転で確認します。これらの試験を通して、安全性と安定性を確保したうえで、建物全体の電気設備が稼働できる状態になります。
「幹線工事とは?」初心者向けにわかりやすく解説!
■高圧幹線設備の施工ポイント

高圧幹線設備は、6,600Vなどの高電圧で電力を供給するため、一般的な低圧配線よりも安全性・技術力が格段に求められる分野です。ビルや工場など、電力を多く消費する施設では、高圧幹線の品質が安定稼働の鍵を握ります。ここでは、施工時に特に注意すべきポイントと、確実な電力供給を実現するための基準について解説します。
・安全対策と法令基準
高圧幹線設備では、感電や短絡(ショート)などのリスクが高いため、安全対策が最優先です。電気事業法や電気設備技術基準に基づき、絶縁性能や接地方法、電路の区分を適切に施工する必要があります。特に、絶縁距離や配管内の熱対策を怠ると、過熱や漏電によるトラブルの原因となります。施工時は電源遮断を徹底し、保護具の着用や電圧確認を行うことが義務づけられています。また、施工後も定期的な点検や絶縁試験を実施し、経年劣化による事故を防ぐことが重要です。
・施工時のチェック項目
高圧幹線設備を施工する際は、使用材料の品質確認と接続部処理が重要です。バスダクトや高圧ケーブルは、電流容量に余裕を持たせ、発熱や電圧降下を抑えるよう設計します。ケーブル端部は圧着端子を使用し、専用の圧着工具で確実に固定します。接続後はトルクレンチで締付トルクを確認し、ゆるみや緩衝材の不足がないか点検します。また、屋外や湿度の高い場所では、防水シールや防湿処理を施し、環境条件に適した施工を行うことが求められます。さらに、配管経路の支持間隔・曲げ半径などの寸法管理も厳密に行うことで、長期的な信頼性を確保できます。
このように、高圧幹線設備の施工は単なる配線作業ではなく、建物全体の電力供給を左右する「精密な電気工事」です。安全と品質の両立を図ることが、効率的で安定した電力供給につながります。
■まとめ

幹線設備は、建物内の電力を安定して供給するための“電気の動脈”ともいえる重要な設備です。受変電設備から各分電盤・配電盤、照明や動力機器へ電力を届ける経路として、すべての電気設備を支えています。幹線ケーブルやバスダクトなどの材質選定、経路設計、容量計算などは、どれも電気工事の品質と安全性を左右する要素です。
また、幹線設備には用途に応じて低圧・高圧の区分があり、住宅やビル、工場など建物の種類によって施工方法が異なります。特に高圧幹線設備では、絶縁処理・接続技術・法令遵守が欠かせません。定期点検や経年劣化への対策も、長期的な安定稼働には欠かせるポイントです。
電気工事会社としては、設計から施工・検査まで一貫した品質管理を行うことが求められます。幹線設備を正しく理解し、安全で効率的な施工を行うことが、結果的にお客様の設備を守り、トラブルや停電を未然に防ぐことにつながります。
幹線設備は見えない部分にこそ重要性があり、建物全体の「電気の生命線」といえる存在です。適切な設計と確実な施工を行うことで、快適で安全な電気環境を維持していきましょう。
■株式会社 大志電工では、未来の電気インフラを支える仲間を募集しています!

株式会社 大志電工は、幹線設備工事を中心に、ビル・工場・公共施設など多様な現場で電気設備工事を手掛けています。受変電設備や高圧幹線の施工、分電盤・配電盤の設置など、建物全体の電力を支える重要な工程に携わることで、確かな技術と知識を身につけることができます。
未経験の方でも先輩職人が丁寧にサポートし、図面の読み方や配線計画、ケーブル敷設など、実務を通して基礎から学べる環境を整えています。経験者の方には、より高度な施工管理や高圧設備工事への挑戦も可能です。資格取得支援制度もあり、第二種電気工事士や施工管理技士の取得を目指す社員も多数在籍しています。
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