皆さんこんにちは。
神奈川県横須賀市を拠点に、ビルや工場など多種多様な施設で施工から管理まで一貫した電気工事を手掛けております株式会社 大志電工です。
建設業界で電気の資格取得を検討する際に、「電気工事士と電気工事施工管理技士のどちらを取得すべきか」「試験の免除制度はあるのか」など、疑問や不安を抱えている人もいるでしょう。
名前は似ていますが、この2つの資格は「実際に作業を行うか」「現場全体を監督するか」で役割が大きく異なり、今後のキャリアパスや年収にも明確な違いが生じます。
この記事では、資格の取得を迷っている方に向けて、それぞれの役割の違いや難易度、受験資格、さらには「施工管理はやめとけ」と言われるリアルな理由について解説します。
電気業界でキャリアアップを目指す方や転職希望者はもちろん、これから現場監督を目指したい未経験者にもわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
■資格による役割の違い

建設現場で電気設備を安全に完成させるには、異なる国家資格を持つ技術者がそれぞれの責任を果たします。実際に手を動かす作業員、全体をまとめる監督、そして安全を監視する担当者といったように、業務の範囲が明確に分かれています。
・電気工事士
電気工事士は、配線やコンセントの設置、照明の取り付けなど、実際に手を動かして施工を行う役割です。この資格がないと電気工事の作業に従事できません。
一般住宅や店舗を扱う「第二種電気工事士」と、ビルや工場など大規模な高圧電気設備に対応できる「第一種電気工事士」の2種類があります。現場の最前線で、正確な作業をこなすスキルが求められます。
・電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、自分で作業を行うのではなく、現場全体を指揮する「現場監督」です。スケジュール通りに進める工程管理、仕上がりをチェックする品質管理、事故を防ぐ安全管理など、工事全般のマネジメントが主な業務です。
1級と2級があり、1級を取得すれば大規模なプロジェクトで責任者として活躍でき、キャリアアップや年収増加に直結するメリットがあります。
・電気主任技術者
電気主任技術者は、工事そのものではなく、変電設備などの「保安監督」を行う専門の技術者です。ビルや工場で電気が安全に供給されるよう、点検や維持管理の計画を作成します。
電気工事士や施工管理技士が建物を「作る」側の資格であるのに対し、電気主任技術者は完成した設備を「守る」側の資格と言えます。難易度が非常に高く、電気の知識を問われる資格の中でも取得が難しいことで知られています。
■難易度と受験資格

施工管理技士の資格を取得するためには、国家試験に合格するだけでなく、実際の現場で働いた期間、つまり実務経験年数が条件として求められます。ここでは、それぞれの級の難易度について解説します。
・1級施工管理技士
1級は、特定建設業の営業所に配置される専任技術者や、大規模なプロジェクトの監理技術者になれる最高峰の資格です。
そのため受験資格も厳しく、学歴に応じて数年以上の実務経験年数が必須となります。試験は第一次検定(マークシート方式の学科)と第二次検定(記述問題の実地)に分かれており、合格率は全体で20%前後と難易度が高くなっています。
例えば、大型商業施設やタワーマンションといった大規模な建設現場で、安全や工程全般を統括する責任ある立場になるため、専門性と高い問題解決能力が試されます。
・2級施工管理技士
2級は、一般建設業の主任技術者として、中小規模の店舗や住宅などの電気設備工事を監督できる資格です。1級に比べて求められる実務経験が短く、未経験からでも比較的挑戦しやすいのがメリットです。
試験は同じく第一次と第二次に分かれますが、基本的な知識が中心で、合格率は約40%程度と1級よりは受かりやすい傾向にあります。
これから建設業界でキャリアアップを目指し、初めて現場監督の業務に挑戦する技術者が、スキルを証明するために最初に受験する国家資格として一般的です。
■工事士の試験免除制度

資格取得を目指す際、「施工管理技士を持っていれば、電気工事士の試験が免除されるのでは」と疑問に思う方が多くいます。結論として、これら2つの国家資格の間で、第一次検定(学科にあたる基礎的な試験)などの直接的な試験免除制度はありません。両方の業務に対応するには、それぞれ個別に受験して合格する必要があります。
ただし、試験科目の免除はないものの、受験する条件(受験資格)の面で大きなメリットが存在します。具体的には、「第一種電気工事士」の免状(合格後に交付される資格の証明書)を保有していると、最終学歴に関係なく、指定された短い実務経験年数だけで「1級電気工事施工管理技士」や「2級電気工事施工管理技士」に挑戦できるようになります。
普通科の高校を卒業した方が現場監督を目指すケースなどでは、本来なら非常に長い現場での経験が求められますが、この仕組みを活用すれば大幅に時間を短縮できます。将来的なキャリアアップを考えるなら、まずは電気工事士から挑戦し、受験資格を満たすルートが効率的です。
■やめとけと言われる理由

インターネット等で検索すると、「電気の施工管理はやめとけ」といったネガティブな情報を見かけることがあります。需要が高く将来性のある仕事でありながら、なぜこうした声が上がるのでしょうか。
・きつい労働環境
一つ目の理由は、長時間労働が発生しやすい過酷な労働環境です。現場監督である施工管理技士は、日中は現場での安全確認や作業員への指示出しに追われ、事務作業や施工図(工事用の詳細な設計図)の作成などは、現場作業が終了した夕方以降に行うケースが多くなります。
また、工期(工事を完成させる期限)が迫っている場合や、急な設備トラブルが起きた際には、休日出勤や深夜までの残業を余儀なくされることもあります。
このように、業務量が一人に集中しやすく、プライベートの時間が確保しづらい状況が「きつい」と言われる大きな原因です。
・現場の人間関係
二つ目の理由は、現場での複雑な人間関係による精神的な負担です。施工管理の担当者は、発注者である顧客からの厳しい要望に応えつつ、実際に作業を行う職人たちをまとめてスケジュール通りに工事を進めなければなりません。
年齢や現場経験が上のベテラン職人に対して指示を出したり、作業のやり直しをお願いしたりする場面も多々あります。
板挟みの立場になりやすく、円滑にプロジェクトを進めるための高い調整能力が求められるため、人間関係のストレスに疲弊してしまう人が少なくないのが実態です。
電気施工管理についてはこちらの記事も参考にしてください。
》「電気の施工管理はやばい」は本当?未経験からホワイト企業で高収入を狙う方法
■ まとめ

電気工事士と電気工事施工管理技士は、どちらも建設現場に欠かせない国家資格ですが、その役割は大きく異なります。自らの手で実際の配線や設備作業を行う電気工事士に対し、施工管理技士は現場全体のスケジュールや安全、品質を統括する現場監督としての責任を担います。
過酷な労働環境や複雑な人間関係から「やめとけ」とネガティブな声があがることもありますが、資格を取得して専門性を高めることで、年収アップやキャリアの安定に直結する将来性の高い仕事です。
まずは実務経験なしでも挑戦できる第二種電気工事士から取得し、現場で経験を積みながら施工管理技士へのステップアップを目指すのが、着実にキャリアを築くための効率的なルートと言えるでしょう。
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